万年筆がかすれる・書き出しが悪いときの原因と直し方
インク切れ(ペン先が紙に触れているのに一画二画分インクが出ない現象)と書き出しの悪さ(何度か試し書きしないと書き始められない現象)は、万年筆で最もよくある二大不満です。良い知らせは、その原因が短く予測可能な一覧に収まることです。そのうちペンが本当に壊れているケースは、ほぼありません。
最も可能性が高い原因、ペン芯で乾いたインク
キャップを閉めたまま数日以上置いた場合、あるいはキャップを外したまま数分置いただけでも、ペン芯の露出した溝に残ったごくわずかなインクが乾き、流れを妨げるのに十分な状態になります。これはインク切れと書き出しの悪さの両方について、群を抜いて多い原因であり、同時に最も簡単に直せる原因でもあります。水でさっと洗い流せば(クリーニングガイドをご覧ください)、多くの場合は数分で解消します。
筆記角度と筆圧
万年筆は、ある程度一定の角度で持つことを前提に設計されています。おおむね紙に対して40〜55度あたりで、ペン先の二本のタインが均等に紙面に触れる状態です。ペンを立てすぎたり、寝かせすぎたり、横に回転させて持ったりすると、片方のタインしか接地せず、ペン自体には何の問題もないのにインク切れとして現れます。強く押しつけても改善しません。万年筆はほとんど筆圧を必要とせず、押しつけるとタインが開いてインクの毛細管による流れを断ってしまうことがあります。
インクそのもの
非常に乾きやすく蒸発の早いインクや、細字のペン先で使う顔料が濃いインク、ラメ入りインクは、標準的で扱いやすい染料系インクに比べて、流れが途切れる問題を起こしやすい傾向があります。普段は安定しているペンで特定のインクだけが継続的に不調を起こすなら、まず疑うべきはペンではなくインクです。
乾いた、あるいは傷んだペン先の先端
洗浄と角度の調整で改善しない場合は、明るい光の下かルーペでペン先の先端そのものを確認してください。落下や、キャップの尻軸への抜き差しを乱暴に繰り返したことで、タインがわずかにずれてしまうと、毛細管のつながりを断つのに十分なだけ開いてしまいます。これはたいてい、手早く費用もかからずに直せます。ごくやさしく慎重にタインを押し戻して整列させるか、しつこい場合は文具店やペン先調整職人に見てもらいましょう。
試す価値のあるトラブル解決の順序
実際に原因となる頻度の高い順に並べると、まずペンを水で洗い流し、次に筆記角度と持ち方を確認し、それからインク自体が問題ではないかを検討し、最後にペン先のタインを見る、という流れになります。インク切れや書き出しの悪さに関する不満のほとんどは、一段階目か二段階目で解決します。