万年筆とボールペン、実際の違いとは
この比較はたいてい格の問題として語られます。万年筆は高級で、ボールペンは実用的だという具合です。しかしそれでは、両者の本当の違いが見過ごされてしまいます。インクそのもの、必要な筆圧、そしてどんな書き方に本当に向いているのかという点です。
インクはそもそも別種の物質
ボールペンは粘度の高い油性のペーストを使い、ほぼ空気に触れることで乾き、回転するボールから押し出すには実際に機械的な力が必要です。万年筆のインクはさらさらとした水性で、毛細管現象によってほとんど筆圧なしに引き出されます。このひとつの違いが、両者を分けるほぼすべての根源です。書いたときの感触、紙の上での経年変化、そしてできること、できないことのすべてがここから生まれます。
筆圧と手の疲れ
ボールペンはインクを押し出すために一定の下向きの力を必要とするため、長時間書き続けると、ほとんど筆圧を必要としない万年筆よりも手が疲れやすくなります。これは、手書きの量が多い方(ノートを取る方、日記を書く方、長時間の試験に臨む学生)が万年筆に移り、そのまま使い続ける理由として最もよく挙げられる点のひとつです。
線の表情と表現力
ボールペンは角度、速度、筆圧にかかわらず、常に均一な一本の線を描きます。一方、万年筆の線は一文字のなかでも濃くなったり薄くなったりし、シーンが現れ、ペン先の太さや書く角度、筆圧によって線幅が変わります。これはボールペンには構造上まねのできないことです。万年筆がカリグラフィーに近い書き方や表情豊かな手書きで支持され続けている理由であり、ボールペンよりも万年筆でインク選びがはるかに重要になる理由でもあります。
手入れと長期的なコスト
ボールペンは設計上の使い捨てです。安価で、交換が利き、洗浄も不要です。万年筆は本格的な長く使う道具で、ときどき洗浄が必要になる一方、ボールペンとは違ってボトルインクで何度でも補充できます。そのインク代は、同じ期間に使い捨てのペンを買い続けるコストのごく一部です。初期費用は高くつきますが、まともな万年筆を何年も使い、一ページあたり数円程度のインクで補充していけば、使い捨てのペンを買い続けるより総額では安くなることが少なくありません。
結局どちらが自分に合うのか
純粋な手軽さではボールペンに軍配が上がります。手入れが不要で、逆さでも書け、暑い車内に置き忘れても壊れません。万年筆が向いているのは、手の疲れや字の美しさが気になるくらい頻繁に手書きをする方、そして明らかに心地よい書き味と引き換えに、ときどき五分ほどの洗浄をいとわない方です。