最初のインクボトルの選び方
万年筆インクのボトル1本は、なかなかの買い物です。多くのボトルには40〜50回分の充填ができる量が入っており、人によっては1つの色で1年以上書き続けられる計算になります。画面の中の写真だけを頼りに実物を見ずに買うというのは、2回しか使わなかったボトルが棚に並んでいく典型的なパターンです。
ボトルではなく、まずサンプルから
ボトルインクを扱う多くの店は、2ml前後の小さなサンプルも販売しています。1〜2回の充填ができる量で、ボトルを買う前に自分のペン、自分の紙、自分の照明の下で色を試せるようにするためのものです。この趣味を始めたばかりなら、異なる色系統のサンプルを4〜5本買っても、ボトル1本より安く済みますし、自分が本当に書いていて楽しい色について、はるかに多くのことが分かります。
後悔しにくい色
それでもまずボトルを1本買って始めたいなら、ブルーやブルーブラックが群を抜いて安全な最初の1本です。どんな場面でも読みやすく、オフィスでもきちんとした印象を与えますし、後から広げていきたくなったときに選択肢が最も豊富な色系統でもあります。定番のブラックももう一つのリスクのない選択肢ですが、シェーディングやシェンといった万年筆インクならではの面白さは、良質なブルーほどには見せてくれません。
色以外に考えること
初めて買う人が思っている以上に重要な、実用面の要素が2つあります。
ペン先。特に日本製のペンに多い、非常に細く精密に調整されたペン先は、彩度の高いインクや顔料の多いインクで目詰まりを起こしやすいことがあります。手持ちのペンが細字や極細のペン先だけなら、扱いやすく彩度が中程度のインクのほうがリスクは低くなります。顔料を多く含むインクやシマーインクは、太めのペン先を手に入れてからにしましょう。
筆跡。小さく詰まった字を書くなら、コントラストが良く、にじみの少ないインクが向いています。大きくゆったり書くなら、1文字あたりに置かれるインクの量が多くなるぶん、シェーディングやシェンの出るインクがその魅力をよく見せてくれます。
迷ったときの決め方
一つだけおすすめするなら、違うブルーのサンプルを2〜3本選び、普段使いのペンでそれぞれ1ページずつ書いて、1週間過ごしてから気に入った色のボトルを買うことです。始めるまでに少し時間はかかりますが、実際に使うインクの棚になるか、一度写真を撮っただけのインクの棚になるかの違いは、ここにあります。